木村, 東吉 (2007) 宮沢賢治童話絵本の研究 : 「よだかの星」の場合. 中国学園紀要, 6 . pp. 51-60. ISSN 1347-9350
| PDF - Published Version 842Kb |
Official URL: http://ci.nii.ac.jp/naid/110006609564/
Abstract
筆者は,絵本を鑑賞する立場から,宮沢賢治童話絵本において,画家によってテキストが再生・変容されていく様を,解釈の拡がりとして捉えるとともに,歴史的にも跡づけてみたいと考えている。本稿はその手始めとして,「よだかの星」を事例とし,既存の絵本八編を取り上げ,その特徴を分析・確認しておくものである。論者の研究動機は小林敏也の『画本宮澤賢治よだかの星』(パロル社版)にふれたことにある。この絵本では,よだかの生き方を「賢治ワールド」のなかで捉え直しており,現在の主流の作品解釈が反映されている。これに対して,『よだかの星』をはじめて絵本化した工藤甲人の日本画風の手法による福武書店版では,画家の視点がよだかの被害者意識に寄り添っており,山火に地獄図の業火のイメージを与え,よだかの星に仏像の光背を与えていて,比較してみれば,絵本における作品解釈に歴史的変化の跡が確認される。福武書店版の2年後に成立した伊勢英子による講談社版は,油絵によるデザインによって,画家の個性を強く感じさせるのだが,現世に茨のしがらみを見ている点で,現世のとらえ方に工藤と共通するものが見られる。また,村上康成の抽象画による岩崎書店版では, 絵が本文を説明するのではなく,絵が読者に積極的に謎をかけ,本文への興味を誘うとともに,本文による読者の解釈に想像の余地を残す点で,効果をあげている。
| Title(Second Language): | A Study of Kenji Miyazawa's Fairy Tale Picture Book : A Case of The Nighthawk Star |
|---|---|
| 出版物タイトル(別言語): | Journal of Chugokugakuen |
| Item Type: | Article |
| Uncontrolled Keywords: | 宮沢賢治, 童話絵本, テキストの変容 |
| Subjects: | 900:文学 > 910:日本文学 > 913:小説 物語 > 913.8:童話 900:文学 > 900:文学 > 909:児童文学研究 |
| Divisions: | 中国学園大学 中国短期大学 |
| Copyright Holders: | 中国学園大学/中国短期大学 |
| ID Code: | 9 |
| Deposited On: | 26 Mar 2009 09:29 |
| Last Modified: | 13 Feb 2010 11:30 |
Repository Staff Only: item control page


